各社のトピックス

2025.03.27

三菱UFJニコス

Mitsubishi UFJ NICOS Co., Ltd.

三菱UFJニコスが自動販売機へのタッチ決済を導入!
少額決済分野でもクレジットカードの利用を促進

各社のトピックス メインビジュアル 「マンスリーみつびし」

少額決済分野でも利用できるようになったタッチ決済。
今後は三菱グループ各社の自販機や社員食堂でもタッチ決済が導入可能に

三菱UFJニコスは、自動販売機組み込み型の決済端末を開発・提供する企業アイティアクセス、日本コンラックスと提携し、両社の決済端末にタッチ決済(非接触ICによるクレジットカード決済)を順次導入、タッチ決済に対応した自動販売機を、5年以内に50万台へ拡大することを目指す。

決済端末を搭載した両社の自動販売機の数は全国約15万台以上。すでに電子マネー決済やQRコード決済は利用可能となっており、これにクレジットカードによるタッチ決済機能が加わることになる。タッチ決済は、非接触対応のクレジットカードを端末にかざすだけで決済が完了。サインや暗証番号の入力が不要で、手軽に商品の購入が可能となる。

今回の取り組みの特徴は、SimplePaymentをコンセプトに掲げる三菱UFJ銀行提供の決済ネットワークサービス「SP-NET(エスピーネット)」を活用し、キャッシュレス推進の課題だったクレジットカード決済処理にかかるコストを従来に比べ圧縮しつつ、快適・安全・安心なカード決済を実現することにある。また、決済端末からSP-NETにダイレクトに接続することで、情報処理センターなどを介する必要がなく中間コストの削減を実現。
加えて各種情報処理プロセスを簡素化、シンプルかつ低コストの処理を実現している。また、決済情報はすべてPCIDSSに準拠したSP-NET経由で処理され、セキュアな環境を担保している。

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SP-NETの特徴

SP-NETは
三菱UFJニコスしか取り扱っていない

三菱UFJニコスから三菱UFJ銀行に出向している同行決済企画部ペイメント戦略室上席調査役の福田 紘己氏は取り組みの狙いについて次のように語る。
「もともと少額決済分野はクレジットカードのコスト構造上、カード決済そのものの導入が難しい状況にありました。これまで自動販売機では交通系カードや小銭で決済をしていましたが、タッチ決済なら財布を出さずにスマホで決済ができるようになります。海外ではタッチ決済が進んでおり、インバウンド対策としても有効だと考えています」
タッチ決済で日本は後れをとっている。Visaによると欧州やアフリカでの対面取引に占める普及率は9割。アジアでも普及率が高まっているなか、日本の普及率は40%程度と半数を超えていない。こうした状況から、少額決済でもタッチ決済が可能となることで、普及率を高めていく狙いがある。清水氏が続ける。

「もちろん、ほかのペイメントに対抗する狙いもあります。クレジットカード決済はほかのキャッシュレス決済に比べ、1件あたりの決済にかかるコストが高いと言われています。そのため少額決済の場合、加盟店の手数料もコスト高となっていました。そこで、クレジットカードの取引でこれまでより安価に提供できるインフラを用意し、手軽に導入できるようにしました」

今回、少額のカード決済を可能とするコスト構造を実現できたのは、三菱UFJ銀行が2023年4月より開始した決済ネットワークサービス「SP-NET」の活用にある。
「これまでカード会社は、コスト構造の課題から加盟店に理解を得られる水準の料率を設定することが困難でした。しかし、SP-NETを使うことによって、カード会社と加盟店との目線が合う、お互いに納得感を持って合意できる料率に落ち着くことで、導入できることになったのです」(福田氏)
しかも現在、SP-NETの活用は三菱UFJニコスしか推進できない。それが少額決済分野において同社の強みにもなっているという。

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三菱グループ各社でも
タッチ決済の導入を

2024年12月から導入が進んでいる自動販売機のタッチ決済。導入後、実際の利用率は上がっているのだろうか。福田氏は「想定以上に利用率は高くなっていますが、まだユーザー側に自動販売機でカードが使えるということが十分に認知されていない」と述べる。
「いかに自動販売機の利用者に認知してもらうかが次の課題となっています。これからはキャンぺーンや、CMなどのプロモーション施策も必要だと考えています」
ちなみにタッチ決済は誰でも簡単に決済ができるため、セキュリティ面を心配する向きもあるが、こちらは上限金額を決めることでカバーしている。三菱UFJニコス法人営業第4部法人第2グループの清水 亮太氏がこうも説明する。

「多くの端末では決済端末にカード情報を保持できないようになっており、いわゆる非保持化に対応することでスキミングを防止し、安全・安心に使えるように整備されています」
現状、日本ではタッチ決済は大手の飲食店や小売店、交通機関などにとどまっており、まだまだ開拓の余地は大きい。今後国内でタッチ決済を拡大していくためには、あらゆる少額決済の機会をとらえる必要がある。同社はまずは自動販売機をきっかけに、コインロッカーやゲームセンターなどのアミューズメント施設などにも拡げていく方針だという。

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決済端末イメージ(アイティアクセスの自動販売機専用端末)

「少額決済の分野では、クレジットカード自体をまだ導入していないところもあります。大手は導入しているとしても、中小事業者はコストの問題で二の足を踏んでいます。これからはSP-NETを有するMUFGグループとしてのメリットを活かし、タッチ決済を推進していきたいと考えています」(福田氏)

少額決済でも可能となったクレジットカード決済。三菱グループ各社の皆さんにもタッチ決済対応の自動販売機を導入してほしいと福田氏と清水氏の両氏がメッセージを送る。
「グループ企業のオフィス内にある自動販売機について、一部の拠点ではクレジットカードのタッチ決済が搭載される予定です。利用可能な端末を見かけた場合には、ぜひ社員の皆さまにクレジットカードでのタッチ決済をご利用いただきたいと思っています。また、今後グループ企業の社員食堂などにおいても、タッチ決済を含めたキャッシュレス化を推進していきたいと考えておりますので、ご用の際は、いつでも以下お問い合わせ先までご連絡ください」。

【問い合わせ先】
三菱UFJニコス株式会社 
法人営業第4部 法人第2グループ 清水
03-5296-1342
r.shimizu01@cr.mufg.jp

三菱UFJ銀行
決済企画部ペイメント戦略室 福田
050-3842-8840
hiroki_fukuda@mufg.jp

INTERVIEWEES

インタビュアー写真

福田 紘己  HIROKI FUKUDA

三菱UFJ銀行(三菱UFJニコスから出向中)
決済企画部
ペイメント戦略室 上席調査役

インタビュアー写真

清水 亮太  RYOTA SHIMIZU

法人営業第4部
法人第2グループ

三菱UFJニコス株式会社

東京都千代田区外神田4-14-1秋葉原UDX
2007年より現社名に。「三菱UFJカード」「MUFGカード」「DCカード」「NICOSカード」といった商品群で、広範にカード発行事業を展開。三菱UFJフィナンシャル・グループの中核企業として、個人・企業向けのクレジットカードの発行や加盟店への決済システム導入、金融機関などからのカード発行業務の受託など、快適・安全・安心なキャッシュレス社会の実現に向け、多様な決済サービスを提供している。

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