
北陸最大のビジネス街であり、また繁華街として大型商業施設や有名ブランド店が集まる、香林坊に位置する三菱UFJ銀行 金沢支店。石川県内のみならず福井や富山などの顧客も抱える北陸3県で唯一の支店だ。
そんな金沢支店では、行員が通常の業務と並行して、4つのテーマに基づき課を横断して活動するプロジェクトチーム(PT)を編成。AI活用などDXを推進する「スマートワークPT」、お客さまや北陸地域について調べて支店内に展開する「知る活動PT」、働きやすい職場環境(ES向上)を目指してコミュニケーション活性化のためのイベント開催や業務改善に取り組む「ESPT」、各行員の成長・スキルアップに尽力する「人財育成PT」だ。
毎月、能登半島地震のボランティア活動を継続

「知る活動PT」の一員として、能登半島地震の被災地でのボランティア活動への参加とその報告を行っているのは、業務課の内田 奈美さん。 6月には「能登半島の玄関口」とも呼ばれる石川県羽咋(はくい)市内で、津波の被害を受けた柴垣海岸の清掃活動を行った。

例年「浅野川清掃活動」や「白山市下草刈り」を行っている石川菱友会が主催した「羽咋市柴垣海岸清掃」の様子。能登半島地震復興支援活動として実施した海岸の清掃活動には、当店から17名、全体で121名が参加。
「今年2月に参加したボランティア活動をきっかけに、定期的に金沢支店メンバーでボランティアに参加していますが、6月に行った清掃では、海岸には漁網、浮きのほか、細かい破片状になったプラスチック類が無数に打ち上げられているのを目の当たりにしました。金沢支店の17人のほか石川菱友会の方も一緒に取り組み、海岸の清掃に励みつつ菱友会のつながりも感じることができました。活動報告を見て『参加したい』という行員もだんだん増えてきています。今後も毎月継続してこうしたボランティア活動を行う予定です」(内田さん)

取引先第一課の吉住 彩香さんは、「ESPT」の一員として、支店のコミュニケーション活性化を目的に、フリーアドレスデーを実施。「いつもと違う席で業務を行うことで新たな発見があった」と好評で、今後も定期的に開催していくという。また、新入行員の歓迎会も開催した。新入行員の人となりを覚えてもらい、早く溶け込めるよう自己紹介クイズなどを企画し、大いに盛り上がった。吉住さん自身は、5月に育休から復職したばかり。1歳の子どもの子育てと仕事と大忙しの毎日だ。
「復職する直前は両立できるか不安でしたが、部署内には子育て中のメンバーも多いこともあり、子どもの急な体調不良でお休みをもらうときにも、仕事のことではなく子どもの体調を心配し『早く治るといいね』と声をかけてもらえて、金沢支店の雰囲気のよさを改めて実感しました」(吉住さん)
そうした雰囲気を醸成しているのは、まさしく「ESPT」のおかげでもある。
振り込め詐欺を事前に防いだのは行員の連携力

営業課の小坂 幸子さんは、最近、振り込め詐欺を事前に食い止めるという経験をした。高額の出金を目的に来店したお客さまの話を聞いた受付担当者が「詐欺ではないか」と不審に思い、窓口担当者に連携して小坂さんとともに対応。最終的にご家族や警察と話をしたうえで詐欺だと判明した。
「行員それぞれがお客さまを第一に考える目線で対応し、しっかりと連携できました。常に行員に『気になることがあればなんでもすぐに声をかけて』と発信しているので、気になることをすぐ連携してくれたこと、皆で協力して対応できたことがうれしかったですし、何よりお客さまから『この銀行に相談してよかった』とおっしゃっていただけたことがとてもうれしかったです。私は『スマートワークPT』に所属していますが、PTの活動も課を横断しているので、日頃からコミュニケーションを取りやすい雰囲気ができていると思います」(小坂さん)

取引先第一課の竹内 里緒奈さんは、「知る活動PT」の活動において他行情報の収集担当をしており、2023年度は、金融リテラシーを高めることを目的とした取引先従業員向けの資産運用セミナーを実施し、講師の役割を担った。2024年度は金融を通して地域に関わりを持つことを意識し、地域の学生向けにもセミナー開催を検討している。
「講師役ということで事前に何度もリハーサルを繰り返して臨み、大きな達成感がありました。業務においては、お客さま一人一人に最適なご提案を行う難しさを感じることもありますが、日々商品知識を養うことはもちろん、お客さまがお話ししやすい雰囲気作りを心掛け、真のニーズを引き出せるよう面談に臨んでいます」(竹内さん)
行員みんなが「地域のお客さまのために」という思いを常に持って業務に当たっている。
北陸の伝統と数えきれない魅力を全国に発信したい

取引先第三課の近澤 大暉さんは、社会課題解決のアイデアに対し、活動資金を拠出する三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の制度「MUFG
SOUL~熱い思いを社会のチカラに~」を利用して地域の活動を支援。地域の方々に直接感謝していただける場面が増え、よりいっそうMUFGで働く魅力を感じている。
「MUFG
SOULでは、地元のボランティア活動団体に寄付するだけでなく、その団体と一緒に活動をしていくことに重きを置いており、金沢支店では北陸の地域活性や教育の高度化に注力しています。例えば小学生から大学生までを対象にした地域活性のアイデアのプレゼンにも参加。そこでは子ども達の地域愛の強さを感じ、大変刺激を受けました。MUFG
SOULは支援しに行くというより、逆に私達が勉強させていただいているように感じています」(近澤さん)

取引先第四課の星野 達郎さんは、法人リレーションシップ・マネジメント(RM)として、北陸エリアの大・中堅企業に対して銀行業を中心とした「金融の総合コンサルタント」の役割を担っている。星野さんもお客さまと接するうえで地域愛の強さを感じることが多いという。
「地元密着の金融機関もあるなかで、我々が地域にどのように貢献していけるか。我々は海外のコネクションや全国に広がるネットワークによる情報量、それをもとにしたコンサルティングが強み。地域の金融機関と競争するのではなくうまく役割分担をし、我々は我々にしかできない分野でお役に立ちたいという思いで、ソリューションを提供したりボランティアなどの活動を通して人の輪を広げたりして、MUFGファンを増やしていこうと日々精進しています」(星野さん)

取引先第二課の辻田 拓未さんは、MUFGの業務基盤をフル活用して、地域の経営者と日々ディスカッションし、お客さまの課題発掘から解決までを行う。一方で、ものづくりの根底にある「工芸」の伝統に寄り添い、革新しながら承継するサポートを行うことを目的に、2023年に発足した「MUFG工芸プロジェクト」の構想段階から参画。このプロジェクトを通じて工芸品や産業、文化に対してスポットライトを当て、北陸地域でのプレゼンス向上につなげられるよう尽力した。
「金沢では小学校で茶の湯の授業があるなど幼いうちから伝統文化や工芸に触れる機会が多い。そして、地域の人達は地域への愛着を持ちながらも閉鎖的になることなく、外部の人をあたたかく受け入れ、地域のよさを知ってもらいたいという気持ちを持っていると感じています。MUFG工芸プロジェクトもMUFG SOULによるボランティア活動も、形式上は社会貢献活動、支援という形ではありますが、むしろ我々がその素晴らしさを享受させてもらっている感覚です。この大きな魅力を広く発信していきたいと思っています」(辻田さん)。
MUFGはMUFG工芸プロジェクトを通して、9月14日から10月20日まで富山市と金沢市のふたつのエリアで開催する、工芸の魅力を発信する取り組み「GO FOR KOGEI
2024」 に、リードパートナーとして参加。11月29日から12月1日まで開催される、国内唯一の工芸に特化したアートフェア
「KOGEI
Art Fair Kanazawa
2024」には、リードスポンサーとして協賛する。いずれも2023年から引き続いての参加となる。
銀行という枠を超えて、地域を支える存在に――。金沢支店にはそんな思いがあふれている。

内田 奈美
NAMI UCHIDA
金沢支店 業務課

吉住 彩香
AYAKA YOSHIZUMI
金沢支店 取引先第一課

小坂 幸子
YUKIKO KOZAKA
金沢支店 営業課

竹内 里緒奈
RIONA TAKEUCHI
金沢支店 取引先第一課

近澤 大暉
HIROKI CHIKAZAWA
金沢支店 取引先第三課

星野 達郎
TATSURO HOSHINO
金沢支店 取引先第四課

辻田 拓未
TAKUMI TSUJITA
金沢支店 取引先第二課
写真/谷本結利
文/安楽由紀子