
11月の食材:柿

「柿が赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるように、柿は栄養価が高い果物として古くから親しまれています。ビタミンCやβカロテンが豊富で抗酸化効果が高いうえ、カリウムや食物繊維もたっぷり。買ってきた柿が硬い場合は常温に2~3日おいて追熟させると、少しやわらかくなりより甘みも増しておいしくなります。早く追熟させたい場合は、りんごやバナナなどとともにビニール袋に入れておく方法があります。栄養成分は皮の周りに多く含まれているので、皮も食べてOKなのですが、硬くておいしくはないので、できる限り薄くむいて使うのがおすすめです。
今回は柿がさらに好きになる、柿の新たなおいしさに出合うレシピをご紹介。やや硬いままでも活用できるレシピ、さらにやわらかく熟しすぎてしまったときの救済レシピも(今回は次郎柿や富有柿などの甘柿を使ったレシピです)。
柿は果皮全体が鮮やかなオレンジ色でハリツヤがあり、ずっしりと重いものを選んで。赤みがかったものはやわらかく、色が濃すぎない柿は硬め、用途や好みで選ぶ手も。
<Recipe1>
熟しすぎた柿でもOK。つぶしてあえるだけで万能ソースに!
柿ソースでいただく豆苗の白身魚巻きカルパッチョ

このレシピのPoint!
☑ 硬い柿ではなく熟した柿を活用。そのまま食べるには熟しすぎた柿の救済レシピ。
☑ 柿をつぶして調味料とあえるだけ。七味をアクセントに。
☑ 生のままの豆苗を白身魚で巻き、カルパッチョを食べやすく取り分けやすく。
☑ 柿ソースは淡白な白身魚にはもちろん、焼いた肉に添えたり、トーストしたパンやクラッカーにチーズと一緒にのせたり、ヨーグルトやバニラアイスにかけたり…アイディアしだいで何にでも使える!
【分量】4人分
豆苗…1/2株
白身魚の刺身(平目、鯛、かんぱち、すずきなど)…8~10切れ
柿…1個
オリーブオイル…大さじ1
レモン汁…大さじ1
白ワインビネガー(酢でも代用可)…大さじ1/2
塩…適量
七味…適量
つくり方
① 柿は皮をむき(種がある場合は取り除く)、フォークなどで粗めにつぶす。オリーブオイル、レモン汁、塩ひとつまみ、七味(5振り程度)を加え、混ぜる。

② 豆苗をカットし、白身魚の刺身を長さ半分に折り、挟むようにして巻く(刺身は肉厚ではなく薄めの方が巻きやすい)。

③ ②に①のソースをかけ、豆苗部分に塩を振りかける。さらにソース部分に七味を少々振る。
<Recipe2>
ピクルスはディル使いが決め手! 柿をプラスしてひとひねり
柿と野菜の彩りピクルス

このレシピのPoint!
☑ ベーシックなピクルスも柿が加わるだけで、甘さにほっこりする箸休めの一品になります。柿は熟しすぎていないものを使うのがおすすめ。野菜は好みのものでアレンジしてもOK。
☑ ハーブのディルを加えると爽やかな風味が加わり、ひねりのある味に。
☑ 酸味抑えめが好みなら、酢はりんご酢や白ワインビネガーを使用してみて。
☑ もちろんそのままポリポリ食べても。漬け込んだ柿や野菜をチーズや生ハムと一緒にクラッカーにのせてワインのおつまみなどにアレンジしても。
☑ 冷蔵庫で4~5日保存可。和食にも洋食にも合う常備菜。
【分量】4人分
柿…1個
れんこん…小1節
おくら…5本
カリフラワー…1/2房
<ピクルス液>
米酢(穀物酢、りんご酢、白ワインビネガーでも)…200ml
水…120ml
塩…小さじ1
砂糖(あればきび砂糖、甜菜糖など)…大さじ3
ハチミツ‥大さじ1
輪切り唐辛子…ひとつまみ
ローリエ…1枚
粒胡椒…10粒
ディル…3~4枝程度
つくり方
① ピクルス液を作る。ピクルス液の材料(ディル以外)を小鍋に入れて火にかけ、ひと煮立ちさせて火を止める。

② ①にちぎったディルを加え、粗熱をとる。

③ れんこんは皮をむき、食べやすい大きさに切る。おくらはへたの下部を少し切り落とす。カリフラワーは小房に分け、食べやすい大きさに切る。鍋で湯を沸かし、おくらとカリフラワーは2分ほど、れんこんは3分ほど、軽くゆでておく。
④ 柿は皮をむき、10~12等分に切る。
⑤ 瓶や食品用コンテナー、ジップ付き保存袋などに②を入れ、温かいうちに③と④を漬け込む。ひと晩冷蔵庫においたらできあがり(ピクルス液が具材に対して少ない場合は、ときどき具材を動かしながら漬け込む)。

<Recipe3>
硬い柿、甘さが足りない柿も、焼くと甘みが増し食感もトロッとおいしく!
水きりヨーグルトの焼き柿添え

このレシピのPoint!
☑ 硬い柿、なかなか熟さない柿、イマイチ甘さが足りない柿などの救済レシピ。
☑ オーブンやトースターで焼くだけで、柿の甘みが増してとろっと食感に変化。まとめ買いした柿をそのまま食べるのに飽きてしまったときにも。
☑ 今回は水きりしてチーズのような濃厚な食感にしたヨーグルトに添えて。そのまま食べてももちろんおいしい!
【分量】4人分
プレーンヨーグルト…好みの量(4人なら200g程度が目安)
柿…1個
カカオニブ(トッピング用。グラノーラやナッツなどでも)…適宜
ハチミツ…適宜
つくり方
① 水きりヨーグルトを作る。ざるにキッチンペーパーを敷き、受け皿のうえにのせ、ヨーグルトをキッチンペーパーの上に出す。ふわっとラップをして冷蔵庫に入れ、1時間半~2時間くらいおく(おく時間は好みで。濃厚な食感にしたい場合は時間をより長めに)。
② 柿は皮をむき、ひと口サイズに切り、クッキングシートを敷いたオーブンやトースターの天板に並べる。

③ オーブン(180℃)またはトースターで、10分程度焼く。周りが少しドライになり、中はやわらかい食感に。焼き色が少しつくくらい焼いてOK。

④ 器に①の水きりヨーグルト、③の焼き柿を添え、好みでカカオニブ、ハチミツなどを添えていただく。
※大さじは15ml、小さじは5mlです。「少々」は親指と人さし指でつまんだ約小さじ1/8分、ひとつまみは約小さじ1/5の量です。
※火加減や加熱時間は環境によって異なるので、様子を見ながら調整してください。
※野菜を洗う、皮をむくなどの下準備は一部省略しています。