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歩いて発見、小岩井農場の魅力!重要文化財ウォークツアー

-非公開建造物や耐震工事中の牛舎を巡る2時間半-

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5月31日、三菱ゆかりの小岩井農場(岩手県雫石町)で、重要文化財の農場施設を学芸員のガイド付きで巡るウォークツアーが開かれました。このツアーは、日本の近代酪農業の発展に大きく貢献した小岩井農場の重要文化財群について深く知り、その歴史と文化的価値を感じてもらおうと、小岩井農場財団が企画したもので、昨年に続き2回目の開催です。事前の天気予報では降雨が心配されましたが、当日は曇天にとどまり、ウォーキングには程よい気候となりました。

今回のツアーでは、重要文化財に指定されている小岩井農場施設21棟のうち、観光エリアにある上丸牛舎群と、通常は非公開の貴重な建造物を、約2時間半かけてウォーキングしながら見学しました。昨年は全3kmのコースでしたが、参加者からの要望を受けて、より多くのスポットを巡るコースに変更したため、途中の景観や建造物に関する解説も増え、内容が一層充実しました。

特に注目を集めたのが、現在耐震対策工事が進められている第四号牛舎の見学です。工事中のため通常は立ち入り禁止となっているこの場所ですが、昨年秋に実施された工事見学会が好評だったことから、今回の見学ルートにも組み込まれました。施工を担当する宮大工による解説が行われ、もともとの木材を活かした精緻な接ぎ木技術による補修などを、伝統建築に精通した専門業者が説明。見学だけではわからない内容だけに、参加者は興味津々に聞き入りました。

耐震対策工事中の第四号牛舎を、工事を担当する宮大工の詳しい解説を聞きながら見学できる貴重な機会。
サイレージ(飼料)を2階に保管する際にも使う、入り口の庇の補修。板や釘などもともとの材料を活かして接木。


2階の床材を支える根太は補修完了。これまで床の崩落を防ぐため設置していた鉄骨が撤去でき、作業性も向上。
こちらは種牡牛舎。重要文化財であると同時に現役の農場施設のため、草をはむ牛たちにも会えるのが楽しい。
クラウドファンディングで補修のための多くの支援が寄せられた秤量場。学芸員の解説付きで理解も深まる。

20名の参加者は、ツアー中に学芸員へ積極的に質問するなど、この貴重な機会を大いに楽しんでいました。「この歴史的建造物の裏側で、こんな工事が行われているとは知らなかった」「普段は見ることのできない場所を見学できて感動した」「前回も参加したが、今回も新たな発見があり、小岩井に対する理解が深まった」といった感想が寄せられました。中には「もう一往復できそう」という声もあり、コースや内容への満足度の高さがうかがえました。

通常非公開の天然冷蔵庫の前で記念撮影。長距離・長時間のウォーキングでも、皆さん満足の笑顔。
ゴールは観光施設まきば園内にある、重要文化財ギャラリー。展示で今日の学びを振り返り、ツアーは無事終了。

小岩井農場文化財ウォークツアーは、単なる観光にとどまらず、参加者が歴史的背景や建物に込められた思いを深く学べる貴重な体験の場となっています。小岩井農場財団は、「皆さまに喜んでいただけるイベントを、今後も積極的に開催していきたいと思います」とコメントしています。



参加者にプレゼントされた今日のツアーの記念品。小岩井農場を代表する第一号牛舎がレーザー加工でプリントされた特別品!

※2025年6月10日掲載。本記事に記載の情報は掲載当時のものです。