
みにきて! みつびし
再訪:一緒に学び、つながり、未来をそだてる「共創の場」
METoA Ginza
施設DATA
- ウェブサイト:METoA Ginza
- 所在地:東京都中央区銀座5-2-1「東急プラザ銀座」内
- 開館時間:11:00~19:00 (1F「METoA Cafe & Kitchen」は23:00迄営業)
- 入場無料
- 休館日:1月1日
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「METoA Ginza」は、三菱電機の先端技術に触れられる場所として、2016年に誕生しました(2017年当時の訪問記事はこちら)。ロボットやエネルギー、宇宙技術などのテーマで三菱電機の最新技術を目で見て、体験できる場所として人気を集めましたが、これらの企画展示では、三菱電機が取り組む事業を知ってもらうことはできても、その先にある未来を一緒に考えるところまではなかなか至らないという思いがあったそうです。
そんな中、2021年に三菱電機は「全ての活動を通じたサステナビリティの実現に貢献し、経済的価値と社会的価値を両輪とした企業価値の更なる向上」を目指す経営方針を発表。これを受けてMEToA Ginzaは、三菱電機の取り組みを紹介するとともに、本来誰にとっても他人事ではないサステナブル社会の実現や社会課題について、来場者、そして広く社会の人々に自分のこととして考えてもらうきっかけを作り、共に学び、考え、共に未来を創る、「共創の場」へと進化しました。キャッチコピーは「ワクワクするサステナブルを、ここから。」一体どんな「ワクワク」が待っているのでしょうか?
![]() 日の光が入る1階エントランス。1階にはカフェ「METoA Cafe & Kitchen」も併設している。(写真提供:三菱電機)
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![]() 展示は2階と3階。さっそく「ワクワクするサステナブル」を探しにいこう!
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「そだてるタウン」で4つ目の企画展示となるのが「リサイクルDISCO」。その名の通り軽快なディスコミュージックが流れる館内でリサイクルについて学びながら、サステナブルな社会におけるリサイクルとはどういうことかを考えられる、なんとも楽しい企画です。
![]() 2階の展示フロア。壁一面の巨大スクリーンには、いろんなダンスを楽しそうに踊る人々が写り、ワクワク感アップ!
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![]() リサイクルDISCOのフロアを沸かす「DJ工場長」! ターンテーブルとリサイクルを回す二刀流。
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リサイクルを学ぶ……といっても、ここはそう、DISCO! 来場者は「DJ」となり、フロアの人々を踊らせるかの如く、リサイクルごみを華麗に操り選別する、プラスチックリサイクル体験ができるんです! 廃棄されたものがどのような経緯を経てリサイクルされるのか。これを知ることも、サステナブル社会実現の第一歩になるのではないかと思いました。このゲームを体験することが、きっと次からごみを捨てるとき、そして再生品を見たときの「気づき」につながることでしょう。もちろん、ディスコのリズムと共に!
![]() 並べられているのは様々な種類の「プラスチックごみ」とされるもの。さあ、どれをリサイクルする?
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![]() 選んだアイテムにタブレットをかざすと、どんなプラスチックが使用されているかを教えてくれる。
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3種のプラスチックを集めたらスクリーンの前へ。プラスチックの選別技術を楽しいゲームで体験し、見事クリアするとリサイクルされた製品(ランダムに変わるらしい)がスクリーン上に現れます! Let’s Dance!
3階の体験フロアでは「そだてるタウン」の中に入り、「空飛ぶクルマ」のバーチャル乗車体験や、プラスチックリサイクルをテーマにしたアトラクションをゲーム感覚で楽しむことができます。現在の企画テーマであるリサイクルについては最後にテストを受けると、リサイクルDISCOを回す「DJ工場長」から、認定証をもらうこともできますよ!
「空飛ぶクルマ」の乗車体験。現在飛行場で使用されている、上空の風を観測する装置「ドップラーライダー」をビルの屋上などに設置して、空飛ぶクルマの安全運航に貢献する技術。風の向きや強さの情報を受信することで安全・快適な空のドライブ…そんな時代が近づいているのを体感できる。
気分はDJ。ターンテーブルでスクラッチしながらプラスチックの選別チャレンジ!
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学びや気づきをアンケートに入力すると、「そだてるタウン」に表示される。カラットも市民になりました
消費者・有識者・開発者…他方位の対話が生み出す「共創」
![]() 2階に設置された「私の推すテナブル」ボード。自分にできるサステナブルはなんだろう?と考えるきっかけを作ってくれる。
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このようにイベントのテーマに沿って楽しくサステナブルを学ぶことができるMEToA Ginzaですが、では新コンセプトの「共創の場」とは具体的にどのようなことなのでしょうか?
今回のイベントを例にとると、プラスチックのリサイクルは循環型社会において欠かすことのできない技術ですが、これまでリサイクル事業を手掛けてこなかった企業にとっては新たな課題です。一方、三菱電機は家電プラスチックのリサイクルにおいて20年以上の実績を持っています。この高度な技術とノウハウを集めたソリューションを、リサイクル技術を求めている異業種企業に展開することで、三菱電機ではサーキュラーエコノミーへの貢献を目指しています。
![]() 再生プラスチック材を外面パネルに使用したエアコンの模型。この色の名前を考えるアンケートも実施中。
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このような展開がすでに進んでいることもMEToA Ginzaでは紹介されており、技術そのものだけでなく、三菱電機がこの会社とこんな取り組みをしているんだ、と知ることもまた、サステナブル社会への気づきになるものだなと思いました。
また、三菱電機では、再生プラスチックを家電などの内部ですでに使用していますが、再生材は加工過程で斑点や筋のようなものが入ってしまうこともあり、目に見えるデザイン面には採用されていません。でも本当のサステナブル社会において、それでいいのでしょうか? そこでMEToA Ginzaでは、現在研究中のリサイクル素材をデザイン面に使ったエアコンなどの模型を展示し、「これ、どう思いますか?」と訪問者に問いかけます。ベージュ系の柔らかな色の家電、私はとってもいい!と思いました。この「とってもいい!」が、METoA Ginzaという場を通じて開発者へと届けられ、リサイクル素材の新たな活用へとつながっていくなんて、なんだか嬉しくなりませんか?
さらに、METoA Ginzaではデジタルコンテンツにも積極的に取り組んでいます。そのひとつが「共創ライブ」。三菱電機の開発者と、さまざまな分野の有識者によるトークセッションをMEToA Ginzaで実施・配信。毎回テーマごとに社会が感じる課題やその解決のために研究されている技術などが議論され、よりよい未来のためにひとりひとりに何ができるか、企業に何ができるかを考える場として、銀座から世界へ発信しています。新しい取り組みとして、トークセッションに加えて生活者との交流会(ミートアップ)を開催し、参加者によるグループディスカッションも行われました。生活者と開発者・有識者との交流というのはなかなか珍しく、ミートアップは今後も不定期開催予定とのことなので、興味のあるテーマにはぜひ参加されてみてはいかがでしょうか?
すべての展示を見終わると、最後にはひとこと感想を書き残せるコーナーがあります。「リサイクルは大切と気づいた」「実現が楽しみ」「空飛ぶクルマに乗ってみたい!」などなど、大人から子どもまでいろいろな声が寄せられています。この声もまた、開発に携わる人たちへと届けられ、大きな力になっているそうです。
「サステナ経営においては、インナーブランディングもとても重要だと考えています」と、三菱電機宣伝部METoAコミュニケーショングループの森岡さん。「METoA Ginzaを通じてユーザーの声が開発関係者に届き、社員の意識の向上にもつながります。『対話』が持つ意味や力は大きく、今後もさまざまな展開をしていきたいです」
![]() 来場者から寄せられたたくさんの声。この声が三菱電機の社員を動かし、未来を創る力になる。
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![]() 社会課題につながる日常の疑問を集めた「from VOICE」や音声コンテンツ「TALKS with」でも「対話」を展開する森岡さん。
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![]() DJカラット、「エキスパート」のデジタル認定証をもらってきました! リサイクルがんばる!
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新しくなったMEToA Ginzaを訪問して感じたのは、ここは一般消費者・開発者・有識者・若者などあらゆる人を巻き込んで、銀座のこの地を中心に、遠心力を得て広がっていく、そんなパワーを持つ場所だなということでした。みんながつながって、みんなで未来を育んでいく。まさに「そだてる」、その言葉がぴったりです。
展示や企画に社員が多く関わっていることで、三菱電機という会社をより身近に感じられたのも特徴的でした。こういう課題に対してこんなことを考え、こういうものを作っている人たちがいるんだと、関わる社員の皆さんの顔が見えるような親しみを覚えました。そしてそんな人たちに「こういう考えはどうでしょう?」と投げかけて、明るい未来に一緒に「ワクワク」できる、それがMEToA Ginzaの魅力ではないかと思いました。
METoA Ginzaには予約不要で誰でも気軽に入場できます。ぜひ一度訪れて、ワクワクするMEToA 体験を通じて一緒に未来をそだててみませんか?
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こんにちは! 事務局のカラットです。「サステナブル」という言葉を、日々あちこちで目に、耳にします。地球の未来のために、社会課題の解決のために、確かに大切なこと。でも、いち消費者である私たちひとりひとりにできることって、いったい何でしょうか? どこか遠いところで語られているような気もしてしまう「サステナブル」を、自分のこととして考えるにはどうしたらいいのでしょう。そのヒントを求めて、昨年3月に一大進化した三菱電機の「METoA Ginza(メトアギンザ)」に行ってきました!