みにきて! みつびし

みにきて! みつびし

三菱重工グループの幅広い事業領域を通じ、最先端の科学技術にふれる

三菱みなとみらい技術館

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こんにちは! 事務局のカラットです。このたび「みつびし みてきた!」から「みにきて! みつびし」に生まれ変わった当コーナー。三菱グループやグループ各社が所有するさまざまな施設には、ぜひ多くの方に見ていただきたい場所がたくさんあります。そんな「みにきて!」をご紹介していきますので、興味をもった施設には、ぜひ足を運んでみてくださいね。

リニューアル第一弾の今回は、2022年夏に一部リニューアルした三菱重工の展示施設「三菱みなとみらい技術館」をご紹介します。コロナ禍を経て、果たしてどんな変化があったのでしょうか。さっそく見に行ってみます! おや? どこかで見覚えのある「ほほ笑み」が……?

三菱重工グループにとって横浜はとてもゆかりが深く、現在の横浜製作所のルーツは1891年に操業開始された(有)横浜船渠にまで遡ります。1935年から三菱重工の製作所となり、新造船、機械製品の製造などがこの地で行なわれてきました。そんな横浜に対する地域貢献、そして子どもたちに理科に親しんでもらうことを目的に1994年に開設されたのが、三菱みなとみらい技術館です。最先端の技術・製品に触れることができるとあり、メインターゲットの小学校高学年の児童たちはもちろん、家族連れや海外からも多くの来館者が訪れているそうです。

前回の訪問時から展示内容も変わりましたので改めて館内をご紹介しましょう! 現在の展示は三菱重工グループの事業領域にあわせ、陸・海・空・宇宙のゾーンに分かれていますが、その前にまずは1階の「MHI FUTURE GATE」に入りましょう。ここでは三菱重工の歴史をたどりながら、巨大船やロケット、新交通システム車両、発電設備などの模型とともに、各分野のエポックメイキングな製品・技術を俯瞰的に学べます。壁面のパネル展示にはプロジェクションによるアニメーションも映し出され、三菱重工グループの、そして技術の歩みを楽しく追うことができます。

JR桜木町を出て横浜ランドマークタワーを抜けると三菱重工横浜ビル。1階にあるのが三菱みなとみらい技術館。
陸・海・空・宇宙 ― 三菱重工グループが手掛ける幅広い事業を一望できる「MHI FUTURE GATE」。

こうしてざっと概要を頭に入れたところで、まずは「海ゾーン」へ。照明の落とされた室内に入ると、中央に大きな白い物体が。何かというと、これは有人潜水調査船「しんかい6500」の原寸大レプリカ! その名の通り水深6500メートルまで潜水でき、世界の98%の海底調査を可能にした船です。レプリカでは外観だけでなく内部の様子を見ることができるのですが、計器類のずらりと並ぶ操縦席は意外とコンパクト。調査の際はここに操縦者や研究者3名が入るとのことで、しかも深海ですから完全な密室! これは大変だ……と調査に臨む人たちには頭の下がる思いです。とはいえ深海に潜るまでの2時間を超える時間の間には、みなさんここで食事をするなどして過ごしているそう。まるで小さな宇宙船のような空間を、ぜひ実際に感じてみてください!

海ゾーンでは他にも、「深海生物メカ」を自分でデザインし、大きなスクリーンに放って泳ぐところを見られる「シーメカニマルをつくろう!/しんかいシアター」コーナーもあります。選んでセットするパーツによって、メカの形はもちろん動き方も変わり、これを選ぶとどうなるかな?とついつい何機も生産してしまいます(笑)。

有人潜水調査船「しんかい6500」の実物大レプリカ。未だ謎の多い深海の世界を探索する。
深海生物メカを作ろう! タッチパネルで動力・制御・補助のパーツを選び、色を決めればオリジナルメカの完成。

お次は一気に大気圏を飛び越えて「宇宙ゾーン」へ。三菱重工・宇宙ときたら、なんといってもH-IIAロケットですよね! ここでは歴代ロケットの模型のほか、燃料タンクやエンジンの実物が展示されており、とにかくその迫力に圧倒されます。H-IIAロケットのメインエンジン「LE-7A」は、ロケット本体に着ける前に秋田県の田代試験場で燃焼試験が行われますが、その際は山間部に凄まじい轟音が響くというお話を聞き、そのパワーのほどを伺い知りました……。

そして人類が夢見続けてきた宇宙の姿を、「フロンティアシアター」では大きなスクリーンで美しくも迫力満点な映像で体験できます。スクリーンがフロアにまで広がっているため、まるで宇宙空間にいるみたい! 体験したらきっと声が上がってしまいますよ。

写真に納まりきれないほどの大迫力のロケットエンジン。ここから燃料を噴出し、ロケットは宇宙へ。
宇宙飛行士適性診断ゲームに挑戦! 「協調性を身につけましょう」と診断されました(笑)

さらに2階の「バーチャルツアーステーション」では、ロケットの製造から打ち上げまでを追った映像作品「ロケットの一生」を観覧できます。1年半をかけて製造され、30分ほどでその役目を終えるロケット。ロケット自体は巨大でも、ひとつひとつのパーツには人の手と目による丁寧な仕事があり、その技術と情熱があって初めてロケットは飛ぶことができます。工場で造り上げられた機体は、タンカーや専用車両を乗り継いで種子島へ。最終組立を経ていよいよ発射台へと向かっていくロケットを見守るエンジニアの皆さんの表情は、まるで育て上げた我が子を送り出す親のようで、とても胸が熱くなりました。13分ほどの中にぎゅっと感動が詰まった映像です。訪問の際は絶対にお見逃しのないよう!




没入感も高い巨大スクリーンで見る「ロケットの一生」の物語は感涙もの。ロケットを造り上げるエンジニアの皆さんの熱意もひしひしと伝わってくる。

リニューアルした2階展示でカーボンニュートラルを学ぼう

2階の「陸ゾーン」が今年夏に大幅リニューアルしたエリアです。従来から環境・エネルギーなどをテーマにした展示でしたが、三菱重工グループでは2021年10月、2040年のカーボンニュートラル宣言を発表。これに向けた電力、交通、物流、冷熱の各分野で取り組む最新の技術やアプローチを紹介しています。

たくさんのイラストや写真などを使ってわかりやすく解説されているカーボンニュートラルと三菱重工グループのさまざまな取り組み。
親子がともに学び語り合うことで、これからの世界について考えるきっかけにもなる。

火力発電から風力発電、原子力や核融合まで、さまざまな発電方法が模型などを使って説明され、子どもから大人までとても見ごたえのある、学びの多い展示です。もっとも、子どもたちには少々難しいテーマであることも事実。そこでぜひ触れてほしいのがタッチウォールです。壁に描かれているアイコンに触れるとアニメーションが動き出し、私たちの生活の中で使用するエネルギーがどのように作られ、送られてくるのかをわかりやすく教えてくれる仕組みになっています。



【※音が出ます】発電や物流など、社会インフラの仕組みや環境問題について視覚的に学ぶことができるタッチウォール。子どもには難しいテーマも、楽しくわかりやすく学ぶ仕掛けが館内にはたくさん。(動画提供:三菱みなとみらい技術館)




どの展示もわかりやすく伝えることにとても力を入れているのが感じられ、私たちが普段何気なく使っているモノ、知っているつもりのコトの裏側には、こんなにたくさんの技術やそれに対する研究開発、完成に至るまでの多くの人の手が存在するんだということを、改めて実感しました。ここを訪れた子どもたちは、きっと目を輝かせて理科や社会を学び、自分も将来こういう仕事に携わりたいと夢を膨らませるのではないでしょうか。

家から参加できるオンライン理科実験など、新しい試みも続々

コロナ禍を受け、新たな試みとして始まったオンラインイベント。このスタジオからさまざまなコンテンツが配信されている。(写真提供:三菱みなとみらい技術館)

そんな素敵な三菱みなとみらい技術館ですが、やはりコロナ禍の影響は免れず、入館者数の減少という現実にも直面しました。そこで新たな取り組みとして始まったのがオンラインイベントです。館内に立派な配信スタジオを設置し、館内ツアーや理科実験、ゲストを招いて三菱重工グループの技術について紹介するなどの多種多様なコンテンツを発信しています。この配信によって、訪問が難しい方や、海外の方も三菱みなとみらい技術館の魅力に触れることができるようになりました。最新のイベント情報は公式サイトやSNSで発信されていますので、ご家族で参加されてみてはいかがでしょうか? 

一方で、展示をゆっくり見られるようになったという変化もありました。以前は体験イベントで遊ぶぞ!という具合だった子どもたちも、模型やパネルの説明をじっくり読んでみたり、難しい内容はお父さん・お母さんに説明してもらったりという姿がよく見られるようになったのだそうです。家族で科学技術を楽しみ学ぶ場になっているのですね。

インターネット上には情報があふれ、ちょっとした疑問ならその場でスマートフォンで調べられる時代。ですが実際に見て、体験を通じてしか得られないものも確かに存在します。三菱みなとみらい技術館では、展示でメッセージを投げかけ、子どもたちが自分で考えられるように工夫されているそうです。また、なかなか目に触れることのない「裏側」の技術に対する一般の来場者の反応は、三菱重工グループの技術者の方たちにとっても新鮮なフィードバックになるそうで、子どもも大人も、それぞれが夢見る未来へと進むパワーが、技術館の中で育まれているように思いました。暮らしを支える技術と未来を感じられる三菱みなとみらい技術館へ、ぜひお出かけになってみてください!


注:本文中の情報等はいずれも2022年12月現在のものです。

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