みにきて! みつびし

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三菱自動車のマザー工場

三菱自動車工業 岡崎製作所

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こんにちは! 事務局のカラットです。「モノづくり」は三菱の長い歴史の中でも大きな位置を占める分野です。研究開発を重ね、人に社会に役立つ、より良いものを生み出していく製造の世界。今回はそんな現場を見に、三菱自動車岡崎製作所の見学ツアーに参加してきました!

三菱自動車では現在、岡崎製作所(愛知県)、水島製作所(岡山県)、京都製作所、京都製作所滋賀工場の4か所で一般向けの工場見学を実施しています。私がおじゃました岡崎製作所は、生産するだけでなく、海外の工場へ品質や技術を伝授する役割も担う三菱自動車のマザー工場。ここで生産される自動車の9割以上は海外向けなのだそうです。

組立工場の入口に設置された大きな歓迎パネル。「ようこそ 岡崎製作所へ!!」の手書き文字があたたかい。
組立工場の入口に設置された大きな歓迎パネル。「ようこそ 岡崎製作所へ!!」の手書き文字があたたかい。

こちらで生産されているのは「RVR」「アウトランダー」「アウトランダーPHEV」の3車種。技術センターやテストコースなども含め、敷地の総面積は東京ドーム22個分にも及ぶ広さ! 見学コースではそのうち塗装工場と車体工場を見ることができます。

見学の受付を済ませるとまずは岡崎工場の紹介ビデオを閲覧し、基礎知識を頭に入れたところで、大きな音のする工場内でもガイドさんの説明が聞こえるようにするためのイヤホンをつけて、いよいよ見学へ。敷地内は広いのでマイクロバスに乗っての出発です!

ロボットと人の手が作り出す自動車

塗装工場内、ロボットによるシーラー塗装。大きなアームで繊細な作業をこなしていく。
塗装工場内、ロボットによるシーラー塗装。大きなアームで繊細な作業をこなしていく。

最初に訪れたのは、溶接まで終えた車体に色を塗る塗装工場。水洗いされた車体は「E-DIP」と呼ばれる巨大な搬送機で塗料の水槽へ沈められ、電気の力で下塗りをおこないます。その後、一台に対して数本のロボットアームがてきぱきと動きシール剤が塗布されます。水漏れしないよう細かい隙間にも塗っていくのですが、緻密な動きにただただ見入ってしまいました。

ところで、流れていくラインは一本のみ。生産されるのは3車種。車種や色はどのように分けられているの?と思ったら、なんとコンピューター管理により一本のラインで一台ごとに対応しているのだそう。これは「多車種混流生産」という方式で、一台目はRVRの黒、次はアウトランダーPHEVの赤、といった具合に、一台一台、車種も色も異なる車を単一のラインで次々と生産しているわけです。車種・色ごとにラインが分かれているものと思い込んでいたので、そのハイテクぶりにびっくりしました!

火花散る溶接作業。手前から奥までの長いラインを車体が流れ、ロボットによる溶接がおこなわれている。
火花散る溶接作業。手前から奥までの長いラインを車体が流れ、ロボットによる溶接がおこなわれている。

再びマイクロバスに乗り込み、次は車体工場へ。プレス工程を見た後は、作業場の上の渡り廊下のような見学コースから、溶接を見学。ここでもロボットが大活躍で、アームがしなやかに動き回り、火花を飛ばしながら溶接していく様子はまるでSF映画の世界のよう。見学は小学生も受け入れていますが、ここは子どもたちにいちばん人気のスポットだとか。なるほどなっとくです!

様々な機械音が響く中で、何やら軽快な音楽があちこちから聞こえてきます。これは一体?ときょろきょろすると、作業場を走り回る機械から流れています。その正体は「AGV(無人搬送車)」。広い工場の中で、部品や車体の搬送を自動で行っている無人の搬送車なのです。作業員の方が車の仕様ごとに必要なパーツを部品置き場からピックアップして積み込むと、AGVは軽やかに音楽を流しながら移動し、取り付け作業場へと向かいます。パーツが下ろされるとまた部品置き場へ。工場のあちこちで、それぞれのミッションを持ったAGVが作業員の方々と共に活躍しているのでした。AGVは無音なので、安全のため音楽を流しているのだそうです。この働き者のAGVたちが可愛くて、お、ここにも、こっちにも、大きいのも!とAGV探しに夢中になってしまいました。

黄色いラインで囲まれたブルーのエリアを動いているのがAGV。ここでピックアップされた部品を組立作業をおこなう場所まで運ぶ。
黄色いラインで囲まれたブルーのエリアを動いているのがAGV。ここでピックアップされた部品を組立作業をおこなう場所まで運ぶ。

このように岡崎工場では多くのロボットが働いていますが、3万点とも言われる部品を取り付けるのはほぼすべて手作業。さらに、組立ラインの各所で白いヘルメットの検査員の方がチェックをおこない、品質維持に努めています。車一台あたり、チェックするポイントは実に1400か所! でも安心安全な車を作るための大切な工程なんですね。

すべての組立が完了した車は最後の検査を受け、ついに完成です。車ができていく現場を間近に見て、非常に勉強になり、またとっても楽しむことができました!

自動車の歴史と未来

アウトランダーPHEVとのライフスタイルを提案するPHEV World内。奥の白いドーム内がプラネタリウムになっている。
アウトランダーPHEVとのライフスタイルを提案するPHEV World内。奥の白いドーム内がプラネタリウムになっている。

さらに岡崎工場には他にも目玉があり、そのひとつが「PHEV World」。ここはアウトランダーPHEVの世界観を体験できる施設です。設置された直径約6メートルのドームの中は、なんとプラネタリウム。三菱自動車では「100年後もきれいな星空が見られるように」という願いを込めて「見上げるプロジェクト」を展開中。様々な番組を通じて美しい星空を見せてくれます。また、アウトランダーPHEVの展示車両にはVR(バーチャルリアリティ)ヘッドマウントディスプレイがセットされており、運転席に座って装着すれば、そのままバーチャルドライブへ出発! 街なかを走っていた車はいつしか地球を飛び出し星の中へ…。鮮やかな映像と臨場感にどきどきわくわくの体験ができました。

三菱オートギャラリーでは自転車「十字号」や懐かしの名車を展示。
三菱オートギャラリーでは自転車「十字号」や懐かしの名車を展示。

もうひとつが「三菱オートギャラリー」。1917年に製造された「三菱A型」から始まる、三菱自動車の歴史を彩る車が展示されたコーナーです。なかには航空機用ジュラルミンの残材を利用して作られた自転車(自動車ではありません!)「十字号」といった珍しいものも。「オートギャラリー」は現在改装工事の真っ最中で、5月末に新しい姿がお披露目される予定です!

岡崎製作所は地元岡崎市の観光バスツアーでも訪れられる人気のスポットです。見どころ盛りだくさんで、とってもお勧めですよ!


注:本文中の情報等はいずれも2017年3月現在のものです。

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